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啓蟄

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山の神

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  日あしが伸びてうきうきする、この頃には良く晴れた寒い朝はしみ渡りを楽しみます。
 しみ渡りは陽当たりの良い所の雪の上が堅くなっていて具合が良く雪の上を歩いたり遊んだりすることが出来ます。その遊び方はいろいろありましたが、稲藁や杉の青葉を尻にひいて凍みた斜面を滑り降りたのはむかしのことで、今はプラスチック製のそりやスノーボード、また、厚手のビニール袋に稲藁を詰めて股がり斜面をすごいスピードで滑り降りるもので、地域のスキー大会、雪上運動会などでは競技として取り上げています。
 春が近づき雪溶けがはじまると山めぐりにいきます。雪の薄くなった沢を注意して渡り土手に顔を出したフキのとうを取ったり、清水の出ている田んぼでセリを採取して春の味覚を味わうのもこの頃です。
 山の神の日、家で冬を過ごした山の神様や田畑の神様がお帰りになる日と伝えられています。
 朝、ぼたもちをして神棚へお供えて、お帰りになる道を邪魔しないように山仕事を休み、静かに1日を過ごしたものです。また、高いところへ登ったり、山歩きをしてはいけません。子供達も「あまり騒ぐとバチが当たってかまいたちにかかるぞ」と言われ、炊き物も前の日のうちにおお2階からおろしておいたそうです。
 この日を境に男衆は本格的に春山(たき木切り)を始め、女衆は3月末から4月にかけて行う味噌煮の準備やら、農良着の縫い物、作っておいたぞうり、みの、になわ、わらじ等、雪にさらしたりいつもくるくると働き回っていました。
 明治の終わり頃までは、毎月の9日を初くんち、19日を中くんち、29日を後くんちといって大切にし、仕事を休んでけじめを付けて暮らしていたと言われています。
 その家の職業によっては、今も9の付く日を大切にされている方もあります。(「南部の味と暮し」より 参考文献

 

 

 

 

社日・春社(彼岸入り)

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